アナログでイラストを描くなら紙とペンがあれば十分ですが、デジタルイラストを描くためには機材調達が必要です。
具体的にはイラストを描くための端末。(そのほかにもペンタブレットやイラスト用ソフトなどが必要です)
最近はスマホやタブレットでもイラストは描けるのですが、今回はパソコンにスポットを当てて、どんなものを買えばいいのかを用途別に書いていきます。
どんなパソコンがイラスト制作に向いているのか
パソコンと聞くといかにも高価なように感じますが、実際にはかなり手軽なものもあります。
値段はピンキリ。
スペックもピンキリです。
ではイラスト制作にはどんなパソコンを使えばよいのでしょうか。
以下の項目で詳しく解説していきます。
パソコンの種類
一口にパソコンと言えども、ノートパソコン、デスクトップパソコン(その中でもメーカー製・BTO・自作パソコン)など、種類も様々です。
それぞれを選ぶ基準、メリットとデメリットを紹介します。
ノートパソコン
手軽に買えるパソコン、ノートパソコン。
こちらはBTOは存在せず、メーカー製のみです。(「メーカー製」についての詳細は、後述のメーカー製デスクトップパソコン・BTOデスクトップパソコンの項で解説)よほどの変態以外、自作はできません。
メーカーは、 富士通とかレノボとかNECとかDELLとかゲートウェイなんかが有名。レノボは買わないこと。
ノートパソコンの最大のメリットは取り回しの良さ。
デスクトップパソコンのように場所を取らず、持ち運びも可能なので、パソコンデスクがない場合でもA4サイズ程度の場所があればどこでも使用ができますし、いろんな場所でイラストを描けるのがいいところです。
デメリットとしては、スペックがどうしてもデスクトップパソコンに劣るところ。
同一のCPUコア数・メモリ数でも、ノートパソコンとデスクトップパソコンでは各段に性能が違います。
同等の性能のパソコンならデスクトップパソコンより、ノートパソコンのほうが値段が上がります。
ノートパソコンは狭い空間にたくさんのハードウェアを突っ込まないといけないので、ハードウェアの大きさを最小化しなければならず、性能を上げるにしても頭打ちになってしまうのです。
使用するソフトにもよりますが、ソフトによっては(特に有料ソフト)かなり動作が重たいものもあるので、性能面を重視するならデスクトップパソコンを購入することをオススメします。
値段はピンキリなのですが、ノートパソコンの場合、ゲーミングパソコンを買うのはほぼ無意味ですから(ノートのゲーミングパソコンを買うくらいなら、デスクトップを買うほうがスペックも高く安価)そこそこのスペックで大体7万円~10万円くらい。
個人的にはノートパソコンに10万円も出すのはオーバースペックだとは思いますが…
ただし、ノートパソコンは値段をケチるとまじで動かないので注意。
※値段はデスクトップパソコンとあんまり変わりません。むしろデスクトップパソコンのほうが安い場合あり。
注意点として、最近はドン・〇ホーテなどでやたらと安価(1万円~2万円程度)なノートパソコンが出回っていますが、この手のパソコンには絶対に手を出さない方が良いです。
スペックが馬鹿みたいに低く、使い物になりません。
具体例としては、CPUがatom(アトム)やCeleron(セレロン)・メモリが2GB~4GB・ストレージが16GB~32GBとかいうくそみてぇなスペックのパソコンです。
いいですか、絶対に、絶対に、手を出さないでください。
ストレージ容量16GBとか、メモリ2GBとかなんて、最近のスマホのスペックにすら劣っています。
精々パソコンの電源を入れて、OSを立ち上げるだけで精一杯です。
そんな中でイラストソフトを使うなんて不可能です。
それなら中古で一年落ち~三年落ちくらいのパソコンを買うほうがよっぽど予算も抑えられて、まともなパソコンが買えます。
もし買うなら、分解してハードウェアを組み替えて遊ぶとかを前提にしてください。
メーカー製 デスクトップパソコン
メーカー製とは、メーカーが独自規格で作ったパソコンのこと。
前述の富士通とかレノボとかNECとかDELLとかゲートウェイなんかが出してるデスクトップパソコンです。
メーカー製パソコンのメリットは、気軽にノートパソコンより高いスペックを見込めること、リカバリー(初期化)がBTOや自作パソコンより安易なことです。
なにかトラブルがあればメーカーに依頼すれば修理もできますから、パソコンの知識があまりない方でも手を出しやすいです。
保証期間内なら保証も効きます。
デメリットは、拡張性(後述)が少ないことと、無駄なアプリがたくさんインストールされていること、リカバリー方法を間違えるとユーティリティソフト(OSを動かすために紐づけされているソフト)が消えてしまい、様々な機能を失い、修復不可能になる点。
メーカーによってリカバリー方法が違うので、リカバリーする際には必ず説明書を読みましょう。
余談ですが、メーカー製パソコンってBIOSも独自なので設定がだるいです。
(多分ほとんどの方はBIOSまでいじらないと思うので読み流してください)
「拡張性が低い」とは、例えば購入後に、なんだか思っていたよりスペックが低い…使用しているにあたってもっと性能のいいパソコンが欲しくなってきた…という場合に、自作パソコンやBTOパソコンのように、あとからハードウェアを付け足したり出来ない場合が多いということです。
ただし、イラストを描くだけなら、そこまでパソコンのスペックや、機能・ハードウェアにこだわる必要もないと思うので、デスクトップパソコンを買うならメーカー製を買っておけば問題ないと思います。
値段は安くてまあまあまともなものだと7万円くらい、ちょっといいのを買うと12万円くらいです。
10万円を超えると動きサクサク・快適パソコン生活が可能。
BTO デスクトップパソコン
BTOとは、Build To Orderの略で、受注生産のことです。
BTOを扱っているメーカーで有名どころは、マウス、DELLなど。
性能としては自作パソコンと同じです。
自作パソコンのように自分で組み立てる必要がなく、メーカー製パソコンと同様に購入店に持ち込めば修理も可能、こちらも保証期間内なら保証も効く場合が多いです。
そして自作パソコンと同様に拡張性の高さがメリット。
あとからメモリ、ストレージ、光学ディスク等の増設が可能です。
CPUを換装したりもできます。
デスクトップパソコンでちょっといいパソコンが欲しい、なんて場合にはBTOがオススメ。
BTOとなると、ほとんどがゲーミングパソコンです。
グラフィックボードという、サクサク動作に一役買ってくれるハードウェアを搭載していることが大半。
デメリットは、安価なパソコンがほぼ存在しないこと。
類としては自作パソコンと同等なので、リカバリーの際にはOSのクリーンインストールが必要です。
メーカー製パソコンのようにリカバリーに関する説明書はありません。
自分で調べてやる必要があるので、多少のパソコンの知識が必要。
価格はゲーミングパソコンであることが前提なので、10万円を超えることがほとんどです。
スペックが同等ならメーカー製パソコンよりは安いです。
あまりパソコンにこだわりがなく、単にイラストを描きたいだけならノートパソコンかメーカー製のデスクトップパソコンで十分でしょう。
自作 デスクトップパソコン
変態とパソコンオタクご用達の自作パソコン。
自作パソコンはその名の通り、一からハードウェアを買い、自分で組み立てます。
パーツの購入店はパソコン工房とかドスパラ、ツクモあたりが有名ですね。
Amazonとかでも買えます。
自作パソコンのメリットはロマンと自己陶酔。
あとはBTO同様に拡張性が高いことと、BTOより予算が若干抑えられることです。
好きなパーツを組み込むので自分好みのパソコンが作れます。
基本的にパソコンを自作する必要なんてないです。
それでもパソコンはロマンなんです。ほっといてください。
デメリットは…というか自作パソコンはデメリットだらけです。それでもパソコンはロマn
なんか謎の動作をした場合、修理するにはパソコン専門店に持ち込まないといけない、場合によっては修理不可、保証が効かない(パーツごとの保証は効きます)、組み上げが大変、組み上げても起動しなかったりする、ロマンを追求しすぎて謎の超ハイスペックパソコンを組み上げてしまう、等。
値段は超ピンキリ。
それなりにこだわると10万円くらい、こだわらなければ7~8万円くらいでちゃんとしたパソコンが組めます。
こだわりポイントも自分で選べるのも利点です。
ジャンクのみで組むとか、まな板パソコン(※ケースがない基盤むき出しのパソコン)にするとかしてみると2万円とかでも組めます。※ジャンクは自己責任です。
こだわれば30万円とか、それ以上。
イラストを描くことに限って言えば、一切視野に入れなくていいです。
なんかパソコン楽しい、パソコンで俺ツエーってしたい場合は自作パソコンの沼にハマってみてください。
タブレットパソコン(ノートブック)
こちらはパソコンとは言え、形状はタブレット、スペックもほぼタブレットと同等です。
タブレットとの違いはWindowsOSまたはMacOSを搭載しているか否かです。
タブレットパソコンのメリットは、軽くて持ち運びに便利なところ。
ノートパソコンも一応持ち運びはできますが、充電式とは言え、電源がないとすぐに充電が落ちますし、本体が数キロ、充電器もアダプターがあるのでそこそこの重量があり、そこにペンタブレットなども持ち込むと、とても重いです。
タブレットパソコンならちょこっとバッグに入れることが出来るし、充電もUSBケーブルなので、外出先で使う場合などには便利。
デメリットは、タブレットパソコンはノートパソコンよりもさらにハードウェアを積み込むスペースが限られるため、性能が低い点です。
パソコンとしては最低レベルのスペック。
というかパソコン用のOSを無理矢理突っ込んでるだけで、ほぼタブレットなので、もはやパソコンではないとも言えます。
これをパソコンとして使うには動作も遅いので、とにかく軽くて持ち運びが安易なパソコンが欲しい!と言う場合以外はあんまりオススメしません。
値段は安いのだと7万円程度、高いのだと12万円とかします。
12万円出しても、ノートパソコンで7万円程度で買えるくらいの性能しか見込めないので、高性能パソコンは存在しないと思ってください。
ちなみにchrome bookはタブレットパソコンではなく、タブレットですのでご注意ください。
イラストを描くうえでの必要スペック
イラストを描くなら、ノートパソコンならCPU core i5以上(インテル)・Ryzen5(AMD)以上、デスクトップならCPU core i3以上(インテル)・Ryzen3(AMD)以上、メモリは最低8GB、快適に操作するには16GBはほしいところ。
ストレージ容量はお好みですが、たくさんのイラストを描くなら500MB~1TBくらいあったほうがいいかも。
特にノートパソコンとメーカー製パソコンはストレージの増設が難しいので(ノートパソコンの場合は確実に外付けになります)、購入の際は注意してください。
ノートパソコンでストレージ容量200GBとか買っちゃうと、後々結構しんどいです。
光学ディスクは、CDとか聴きたい方はあったほうがいいですが、イラストを描くだけならなくてOK。
光学ディスクなしのほうが予算は抑えられます。
ただし、イラストソフトのドライバをインストールする際にディスクが必要な場合は面倒なことになる可能性があるので、若干注意。
とはいえ、メーカーのホームページにドライバのダウンロードページがあることが多いので、あんまり気にしなくても大丈夫です。
Microsoft officeはお好みです。
印刷所によってはpsd形式やai形式でなくてもWordでの入稿も可能な場合があるので、グッズ制作をする方でWordで入稿する予定があればoffice搭載でもいいかもしれません。
まとめ
ただのパソコンオタク記事と化しました。すみませんでした。
イラストを描くうえでパソコンの購入を検討されている方は、参考にしてみてください。
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